<第二段階> 高位診断:上肢の腱反射、筋力テスト、知覚テスト
神経根腱反射reflex 低下筋力motor 低下知覚sensory 低下
C5 上腕二頭筋反射肩の外転(三角筋) 上腕外側
(C4-C5椎体間) (BTR) 肘関節屈曲(上腕二頭筋)
C6 腕橈骨筋反射肘の屈曲(上腕二頭筋) 前腕橈側
(C5-C6椎体間) (Radialis.T.R) 手関節背屈第1~第2指
C7 上腕三頭筋反射肘の伸展(上腕三頭筋) 第3指
(C6-C7椎体間) (TTR) 手関節屈曲
C8・Th1 なしC8:指の屈伸、握力第4~第5指
(C7-Th1、Th1-Th2) Th1:指の開閉、紙ばさみ
C6知覚低下→前腕外側(橈側)、肺・大腸経
C7知覚低下→三焦経
C8Th1知覚低下→前腕内側(尺側)、心・小腸経
↑
母指と示指はC6、中指はC7、環指と小指はC8となる。
・上腕二頭筋腱反射は、BTRと略す。
・上腕三頭筋腱反射)は、TTRと略す。
・腕橈骨筋反射のことを、橈骨反射
ともよぶ
臨床上の区分としては、C8とTh1は一括して把握するのが普通。
3.胸郭出口症候群
胸郭出口部における腕神経叢と鎖骨下動脈の絞扼障害。
頸肋症候群、(前)斜角筋症候群、肋鎖症候群、小胸筋(=過外転)症候群の4つに分類する。
胸郭出口症候群の大部分は、頸部外傷に瘢痕化した、頸部斜角筋により生ずるか、肥満・巨乳・
加齢により肩甲帯が下垂することによって生ずるものが多い。
症状:上肢の痛み、シビレ、ダルサなど。
①上肢の痛みは、ピリピリ、ジリジリといっ
た痛み。上肢症状は末梢神経分布に従う。
神経根症では、デルマトームに従った知覚鈍麻が
起こる。
②鎖骨下動脈が圧迫されるので、上肢は冷え
を伴うことが多い。
神経根症では動脈圧迫を起こさず、冷えは生じない。
③上肢挙上で増悪傾向
→三分間挙上テスト
方法:両側の上肢を3分間挙上させ、疼痛やシビレ感など愁訴の誘発や増悪の有無をみる。
意義:胸郭出口症候群とくに肋鎖症候群時に陽性
1)頸肋症候群
第7頸椎横突起が延びて肋骨化した先天性奇
形。低頻度。上肢やその付け根の上肢帯の運動
や感覚を支配する腕神経叢は、頚神経から第8頚
神経と第1胸神経から形成されるが、頚肋がある
者は、第4頚神経から第8頚神経根から形成され
ることが多い。腕神経叢の絞扼障害が生じる。
鎖骨下動脈は、圧迫される場合とされない場合
がある。
固有の理学テストはなく、X線撮影で推定する。