ファミマが競争激化の24時間型ジム市場に参入
ファミリーマートはフィットネス事業に新規参入する。マシン特化型ジムで、24時間運営する。
ジム1号店はファミマ店舗の2階に設置するが、駐車場を持つ郊外型店舗などでは敷地内に別途ジムを設けることも検討する。
セブン-イレブン・ジャパンの約2万店を筆頭に、国内コンビニ店舗は約6万店に達する。一方でコンビニ各社の既存店客数は足元で減少傾向にある。
その中で目をつけたのが、健康ニーズの取り込みだ。日本生産性本部が発行する「レジャー白書2017」によれば、フィットネスクラブの市場規模は2000年に3650億円だったが、2016年は4480億円まで拡大し過去最高を記録。フィットネスクラブ数も、パーソナルジムや小型のスポーツクラブなどを中心に増加傾向にある。
こうした市場動向を背景に、コンビニ店舗の2階や駐車場といったスペースにフィットネスジムを併設することで、来店機会や加盟店収入の増加につなげるのがファミマ側の狙いだ。
ファミマが運営する「Fit&Go」の施設内イメージ(ファミリーマート提供)
1号店の広さは60坪ほどを想定。一般的なジムにある筋トレマシンやバーベル、スミスマシンといったフリーウエート機器、ランニングマシン・エアロバイクなどのカーディオ機器類を設置する。このほか、チューブやストレッチポール、ランブルローラーといった用具も置き、流行のファンクショナルトレーニング(動きの質を上げるための機能的トレーニング)や筋膜リリース・ストレッチにも対応する。
希望すればアプリを通してパーソナルトレーナーによる指導も予約できる。
Fit&Goと同様の24時間型ジムの中で最も店舗数が多いのが「エニタイムフィットネス」。2021年3月までに500店舗という目標に向け、順調に店舗を増やしている。
ほかにも、「ジョイフィット24」や、ティップネスが運営する「ファストジム24」などが店舗を増やしており、24時間型ジムの市場は競争が激化している。
日本に24時間型ジムは700カ所弱ある。24時間型ジムとして後発となるファミマだが、5年後をメドに300店舗のフィットネス併設店の展開を目指している。すでに全国のファミマがたくさんあるので、ゼロからのスタートではない。日本のフィットネス参加人口は欧米に比べると非常に少ない
24時間フィットネスはコンビニ化 価格競争激化
フィットネスクラブの利用者は料金に敏感で、近くに料金の安いクラブができると移ってしまう傾向がある。参入企業や店舗数が増加すると料金競争に陥る可能性がある
10ドル(1000円ぐらい)で通えるフィットネスクラブがアメリカで話題に
日本のジムは高すぎる いずれこの業態が普及 超低価格かつ超初心者向けジム
日本のフィットネスクラブ人口は3%ほどと言われています。しかし日本よりフィットネスへの関心が強いアメリカでは、その割合は10%を超えています。
日本のフィットネスクラブは、ほぼ料金やサービス形式が似通っています。しかしアメリカでは料金体系やサービス形式の選択肢が多く、ステイタスとして高級フィットネスに通いたい人、本格的にスポーツをしたいアスリート、交流場所にしたい人、シンプルにマシンで体を動かしたい人など、自分の目的に合うジムを選ぶことができます。この間口の広さがフィットネスクラブ人口を増加させている理由なのかもしれません。
その中のひとつ『Planet Fitness』は、アメリカの他のメジャーなフィットネスクラブより低価格でサービスを提供できないかと考え、1992年に事業を開始。「月10ドルで通える」ということで話題になり、現在アメリカで800店舗・600万人の会員を誇るまでに成長した、いま注目のフィットネスクラブです。
最新のマシンを使用 サービスはシンプル
次のトレンドは、格安・激安ジム
次のトレンドとなるのは、月会費4千円未満の「格安ジム」や同2千円未満の「激安ジム」になるのは間違いありません
日本ではまだ導入期なのでそれほど目立っていませんが、月会費2~3千円台の格安ジム専門業態は日本でも増えつつあります(例えば、アクトスwillやFIT365など)。
運動不足や体力不足に不安を感じているけど、フィットネスは(料金的に)敷居が高いと感じている人は多くいるでしょう。
また、物販の空きテナントが目立つショッピングモールやロードサイド店が最近増えていますから、こうした格安(や激安)ジムが出店できるコスト環境が整ってきています。
そもそも日本の会員制フィットネス参加率は3%台と少なく(アメリカは18%程度)、現在の3~4倍に参加人口が増える余地は十分にあります。
そうなってはいない最大の理由は(そもそも)店舗数が少ないことと、月会費水準が高いこと(米国の約2倍以上)です。言い換えれば、店舗数が増え、月会費が安くなれば会員数が増える可能性が高まるということです。
フィットネスクラブは設備投資にコストがかかるため大資本がすることになります 価格競争激化します