COPD 病態症状
気管支喘息気管支炎がベースにあり、わずかな刺激によ喘鳴、呼吸困難
り気管支の痙攣と浮腫を起こす。
慢性喀痰が2年以上連続し毎年3ヶ月以上続く。咳嗽、喀痰。
気管支炎気道の改変が起こり気管支の粘液分泌過増悪時は膿性痰。
剰。ほぼ全例が40才以上の喫煙者血痰の出ることもある。
肺気腫肺の老化現象。肺胞壁の破壊により、息切れ、樽状胸廓、
終末気管支以下の肺胞壁が異常に拡大太鼓バチ指
喫煙者、老人男性に多い。
3)慢性拘束性呼吸器疾患の特徴
代表疾患としては、肺線維症、間質性肺炎、気管支拡張症などがある。
検査:肺活量は低下、一秒率は正常。
ベルクロ・ラ音(有響性の捻髪音)聴取。
ベルクロ・ラ音とは
血圧測定の際、腕に巻きつける布をベルクロとよぶ。これをはがす時、マジックテープがはずれるの
でバリバリという音がする。胸で聴けるこのような有響性の捻髪音をベルクロ・ラ音とよび、拘束性肺
疾患でみられる。
気管支拡張症
主訴:咳嗽・喀痰。多量の痰と血痰が特徴的。
鑑別診断慢性気管支炎→気管支全体の破壊
気管支拡張症→中等気管支の変性拡張
気管支拡張症は拡張した気管支部分に痰が溜まる。とくに睡眠中は長時間貯留し、朝方
は特に多量の喀痰が出る。これを満口喀痰とよぶ。また気管支拡張症は気管支がもろくな
るので、咳などで血管が破れると血痰となる。
慢性気管支炎の痰量は気管支拡張症ほど多量で
はなく、血痰も出ない。
特発性間質性肺炎
本態:原因不明の進行性の肺線維症。
症状:咳嗽、喀痰がでるが、息切れ、呼吸困難、
チアノーゼ、太鼓ばち指が特徴的。
肺線維症:肺に繊維が増殖し、肺が硬化萎縮する。
進行すれば呼吸機能不全を生ずる。
予後:抗生物質無効で副腎皮質ホルモンが唯一の
治療。予後不良。
3.下気道疾患に起因する咳嗽・喀痰の針灸治療
1)脊髄神経前枝と後枝の反応
肺や気管(支)の内臓体壁反射は、心臓とは逆に、交感神経<副交感神経の臓器であり、
起立筋や大胸筋の反応は比較的弱く、これらの部のコリ痛みを緩めても症状の改善につながり
にくい傾向にある。要するに内臓-体壁反射は弱く、体壁-内臓反射による治療効果も弱い。
交感神経優位にすることが症状を改善させるので、促通手技として座位にし、上背部への強
刺激施術を行う。
①治喘
位置:大椎穴(C7、T h1棘突起間)の外方5分(実際には直側)
定喘:座位。大椎穴の外方1寸。
刺針:刺針:#3~#5針にて、3㎝刺入し強刺激の雀啄。この間、患者に命じて
軽く数回呼吸させる。
治喘刺針の響き:針を脊柱にって下方に向けて1.5寸ほど刺入すると、響きは脊柱と平行に
5寸ほど下方にとどいた。抜針して今度は1寸直刺すると頚の方から咽の方に達した。その
後まもなく咽が楽になり咳が鎮まってきた