知覚、副交感性)
(顎下腺・舌下腺に分布)→唾液分泌障害
大錐体神経(涙腺に分布)→涙分泌障害
鼓膜側から、ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨の3
つの耳小骨があり、アブミ骨は、前庭窓に連絡
障害部位と症状の関係①鼓索神経分岐部以下での障害(脳幹から最も遠い所):顔面麻痺のみ
②鼓索神経分岐部を含む部分の障害:①症状+唾液分泌障害+下前方2/3の味覚異常
③あぶみ骨筋神経の分岐部:①+②+聴覚過敏
④膝神経節(脳幹に最も近い所):①+②+③+涙分泌障害
顔面神経麻痺の分類
中枢性(核上性) 末梢性(核性、核下性)
障害部位橋にある顔面神経核より大脳皮質核性、核下部の麻痺
運動領に至る核上部の麻痺
代表疾患脳腫瘍、脳血管障害ベル麻痺、ハント症候群
症状麻痺は障害側の反対に起こる麻痺は障害側に起こる
額のシワ寄せ可能額のシワ寄せ不能
片麻痺など四肢の神経徴候を伴う顔面以外の神経症状なし
顔面神経核のうち、顔面神経上部核は両側の大脳皮質からの支配を受け、顔面神経下部核は
反対側からの片側支配である。このため片側性の中枢性顔面麻痺では、顔面上部は麻痺せず、
額のシワ寄せが可能である。
ギラン・バレー症候群
1)原因:風邪や下痢などをもたらす細菌やウイルスを排除しようとする抗体が、自己の運動神
経を特異的に攻撃した結果、発病1~2週間後に髄鞘が分節的に変性して脱髄が起こり、
運動麻痺が起こる。さらに神経変性症状が出現し、多発性神経炎が起こる。
2)症状
①運動神経の侵害:両側四肢や両側顔面の弛緩性運動麻痺。深部反射消失。呼吸困難。
②感覚神経の侵害:手袋足袋型の知覚麻痺。
周期性四肢麻痺では四肢の弛緩性麻痺を生ずるが、感覚障害は生じない。
脱髄:有髄神経の軸索は正常。髄鞘が脱落する。このため神経伝導速度は無髄神経程度になる。
③髄液検査で蛋白細胞解離を認める
ギランバレー症候群の症状所見
四肢運動麻痺 両側性顔面麻痺 手袋足袋麻痺 蛋白細胞解離
3)治療:血漿交換(感染した血漿を捨て、人工血漿を体内に入れる)
4)予後:6割は完全治癒。3割は障害を残す。死亡は1割で、呼吸筋麻痺によるもの。
2本以上の末梢神経が同時に侵されたものを、多発性神経炎(=多発ニューロパチー)とよぶ。
多発性神経炎は、臨床では糖尿病性神経炎やギラン・バレー症候群が多い。
先進国で、手足が動かなくなる病気は、脳卒中についでギラン・バレーが多い。