脳と脳神経
終脳(大脳皮質+基底核)
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間脳(視床+視床下部)
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中脳
脳幹|
(小脳除く) 橋- 小脳
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延髄
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脊髄
①脳と脊髄を併せて、中枢神経とよぶ。脳は上位から、終脳、間脳、中脳、橋、延髄からなる。
②脳からは、脳神経12対が出る。
終脳→①嗅神経間脳→②視神経中脳→③動眼・④滑車神経
橋→⑤三叉・⑥外転・⑦顔面・⑧内耳神経延髄→⑨舌咽・⑩迷走・⑪副・⑫舌下神経
1 2 3,4 5~8 9~12
③脳神経の成分には、知覚・運動・自律神経線維がある。
嗅視動滑三外顔内舌迷副舌
眼車叉転面耳咽走下
④ポール・マクリーンの脳の三層構造説
・爬虫類脳(ワニの脳):脳幹+大脳基底核→生存を主どる。
大脳基底核=大脳皮質の底にある核集合体。白質中にある灰白成分。運動プログラムをつくる。
・旧哺乳類脳(ウマの脳):大脳辺縁系(海馬、扁桃体、線状体)
→本能(食欲、睡眠欲、性欲、集団欲)・情動(喜怒哀楽)・記憶を主どる。
体で覚える(自転車の乗り方など)→大ざっぱな動きは大脳基底核。細かなスムーズな動きは小脳頭で覚える(数学の公式など)→短期記憶は大脳辺縁系の海馬。長期記憶は大脳皮質。
大脳基底核の異常=パーキンソン病、眼瞼痙攣。動作の動きの開始がつまづく。
海馬の異常=アルツハイマー病。名前が思い出せない。ただし昔の記憶は保たれている。
・新哺乳類脳(ヒトの脳):大脳皮質。思考を主どる
顔面神経麻痺
1.顔面神経の走行と機能
中枢部分:大脳皮質運動野から起こり、顔面神経核に至る。
末梢部分:第7脳神経として橋から出て、内耳神経とともに内耳道に入る。その
底部から顔面神経管(側頭骨にある空洞)を通り、頭蓋外に出る。
茎乳突孔(=翳風)から頭蓋外に出て顔面表情筋に分布する。
なお顔面神経は、狭義の顔面神経(運動)と中間神経(知覚と副交感)
に分類される。
顔面神経管内において、中間神経(大錐体神経・鼓索神経)とアブミ骨
筋神経が出る。
顔面表情筋は、皮筋である。皮筋とは停止が皮膚(起始は骨)にある骨格筋をいう。表情筋が収縮すると、皮膚が引っ張られ、シワが寄る。
2)顔面神経の分類と機能障害
顔面神経は、運動成分、感覚成分、副交感成分を併せ持つ混合性神経
顔面神経(狭義) 顔面表情筋支配の本幹→顔面表情筋麻痺
(運動性) アブミ骨筋神経(アブミ骨筋を運動支配)→聴覚過敏
中間神経→膝神経節鼓索神経(舌前2/3の味雷に分布)→味覚障害