2)症状
急に一眼の中心部が暗く見える。
小視症(小さく見える)、変視症
(歪んで見える)
3)治療、予後
数ヶ月で自然治癒しやすいが再発しやすい。心身の休息が必要。鍼灸治療の対象とならない。
5.緑内障
1)眼房水とその流れ
水晶体と角膜は透明である必要があるため、血液でこれらに酸素や栄養を補給できず、老廃
物を回収できない。これらの役割は眼房水という透明なリンパ液により行われる。
眼房水は、毛様体から分泌→後房(虹彩と水晶体の間)→前房(角膜と虹彩の間)→
隅角(角膜と虹彩で挟まれた部分)のシュレム管から眼球の外に流出、といった走行をする。
2)病態
正常では房水の流入する量と流出する量は一定し、眼球内部の圧力も一定に保たれている。
何らかの原因で、房水の排出障害が起き、眼圧が上昇した状態が緑内障である。
眼圧25mmHg 以上を異常とする。(眼圧の正常値は、15 ~ 20mmHg)
眼圧測定検査:開眼させ、瞬間的に一定の空気を角膜に吹き付ける。その時の空気抵抗を測定する。無接
触で無痛だが、患者は一瞬びっくりすることが多い
3)初期症状
眼圧上昇による視神経圧迫が本態。緑内障作を除き、
無自覚で進行する。視野狭窄が典型的症状だが、片眼
が正常であれば意識されないことが大部分である。
4)分類
下記分類で、国家試験で重要なのは原発性緑内障の、閉塞偶隅緑内障と開放偶隅緑内障であ
る。ほかに先天性緑内障の別称である牛眼を記憶すること。
開放隅角緑内障(慢性緑内障) 閉塞隅角緑内障(急性緑内障)
病態
原因隅角には房水を濾過する隅角線維柱帯が隅角が先天的に狭いために塞がりやすい。
あり、その奥にシュレム管がある。閉塞すると急に眼圧が上昇する。
隅角線維柱帯とシュレム管が目づまりし、加齢により虹彩や水晶体が変化し、隅角
徐々に眼圧が上昇する。の狭小が増強して完全に隅角が閉塞する
眼圧正常(21 ㎜ Hg 以下)の者も多い。と、急性閉塞隅角緑内障発作を起こす。
症状眼精疲労、目がかすむ、頭重、視野欠損、頭痛、嘔吐、激烈な眼痛(片眼)、
虹視症(灯火周囲の虹輪視)。視力の急激な低下(片眼)。
自覚症状の乏しいうちに進行。1日で失明することがある。
視神経を圧迫するので痛みが起こる。高眼圧が持続すると、視神経を圧迫し、
視野狭窄が起る。最終的には壊死する。緑内障による失明は、1年に2000 名。