急性扁桃炎の基本鍼灸治療
洞部皮内針・・・・・・舌咽神経痛改善
口蓋扁桃直刺・・・・口蓋扁桃の血流改善
座位での治喘手技針・・・・・・・Th1交感神経刺激
舌咽神経ブロック刺・・・・・中咽頭部痛の軽減
上喉頭神経内枝ブロック刺・・・・・下咽頭部痛の軽減
喉頭の疾患
喉頭の構造と機能
喉頭とは、咽頭と気管の間の部分にあり、喉頭蓋基部~輪状軟骨の範囲をいう。喉頭は、ほぼ下咽頭の高で下咽頭の前方にある。喉頭は気道の一部であり、同時に発声器官でもある。
喉頭腔は、声門上部・声門部・声門下部に分かれる。
声門部は声帯上面から下方へ数㎜の範囲をいう。
声門上部には、仮声帯がある。
声門下部は、輪状軟骨下縁に至る円錐形の部分をいう。
1.喉頭壁をつくる軟骨
喉頭壁をつくる軟骨は6種あるが、発声に直接関わるのは次の3種である。
①輪状軟骨:甲状軟骨の下方につく指輪状をした軟骨
②甲状軟骨:喉頭の前壁につく盾状の軟骨。
③披裂軟骨:輪状軟骨の上縁につく三角状の軟骨
2.喉頭の運動機能
1)外喉頭筋と内咽頭筋
外喉頭筋(喉頭と周囲を結ぶ)は呼吸と嚥下に関与し、内咽頭筋(声帯ヒダを動かす)は発声に関与している。両者はともに迷走神経の枝の反回神経支配である。
2)発声に関与する内喉頭筋と支配神経
息が閉じた状態にある声帯の間を通過すると声帯が震え、声になる。
声帯が閉じられていない場合には、息漏れした声(=ささやき声)になる。
①輪状甲状筋の役割
輪状軟骨の後上部と甲状軟骨の後下部は連結し、
輪状甲状関節をつくる。これを支点に、甲状軟骨が
上下に可動する構造になっている。輪状甲状筋が収
縮すると、甲状軟骨が前下方に傾き、内部の声帯
ヒダが伸ばされ緊張することで、より高い声が出
る。すなわち輪状甲状筋は、声の高低の変化させる役割がある。一般に成人男性は女性に比べて、声帯長が長いので、低い声になる。輪状甲状筋は上喉頭神経外枝の支配を受ける。本筋は、針で直接できる唯一の内喉頭筋。
②披裂筋群の基本的役割
「披」には、手をかけて引き寄せるツナの意味がある。つまり声帯ヒダについているツナの意味。
披裂筋は披裂軟骨に付着し、声帯ヒダの状態をさまざまに変化させることで、声の色調を修飾する。披裂筋群は、すべて反回神経(≒下喉頭神経)の支配を受ける。
③披裂筋の種類とそれぞれの役割
披裂筋にもいくつかの種類があり、上述の筋は側筋に分類される。側筋だけの働きで
は、声帯に多くの隙間が出るので、息漏れした声になる。
横筋は疲裂軟骨そのものを近づける働きをする。
側筋+横筋が働くと、普段の話し声のような発声が可能になる。声帯の横にある交錯筋は働くことにより、
声帯をさらに閉鎖でき、パワフルな発声ができるようになる。