①心兪一行の灸
沢田流では、舌熱は心の兪をもって治すとする
②肩髃刺針
肩髃に、2番針を1㎝ほど刺入、痛みがとれるまで雀啄または10分間置針する。
ほぼ確実に数分で痛み消失するという。肩髃の針は眼精疲労や鼻閉にも効果あるという。すなわち肩髃刺針は、頭顔面部における粘膜の充血改善に適応があるということだろうか。そうであれば、大椎穴や大杼の針灸でも、同様の効果が得られるかもしれない
顎関節症
1.顎関節の特徴
顎関節とは、下顎骨関節突起の下顎頭と側頭骨下顎窩のつくる関節である。下顎骨関節突起の前方には側頭筋の起始である筋突起がある。
顎関節は、外耳道入口の前方にあるので、指をその部分にあてて口を開閉するとクリクリ動くのがわかる。
開口の初期は蝶番関節として回転運動し、さらに大きく開けると前下方への滑走運動を起こす。この時、骨の摩擦による破壊を防ぐため、関節円板が存在し、支点として安定するために関節円板は中央が薄くなった凹レンズ状の形をしている
2.咀嚼筋と顎二腹筋
咀嚼筋は側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類があり、いずれも三叉神経第Ⅲ枝
が運動支配する。
側頭筋、咬筋、内側突筋の3筋の共通機能は、閉口(顎を上に上げる)であるが、外側翼突筋と顎二腹筋の機能は、開口(顎を前に突き出す)である。
顎二腹筋は、下骨を境として、前腹が三叉神経第Ⅲ枝の枝の下歯槽神経の運動支配、後腹が顔面神経運動支配。顎二腹筋は舌骨を挙上し、舌骨固定時には下顎骨を後下方へ引く作用がある
起始停止機能神経
側頭筋側頭骨下顎骨筋突起下顎骨を後上方に挙上
閉
咬筋頬骨弓口下顎骨を前上方に挙上
咀下顎枝筋
嚼内側翼突筋蝶形骨下顎を前上に挙上、顎を横にずらす三叉筋神経
外側上頭関節円板関節円板を前方に引く
翼突筋蝶形骨
下頭下顎頭開顎関節の滑走運動、左右に動かす
口
前腹下顎骨筋
顎二腹筋舌骨下顎骨を後下方へ引く
後腹胸乳筋顔面
3.顎関節症
1)概念
咀嚼や開口時の顎関節とその周囲の疼痛、開口障害と開口時雑音などを主体とする顎関節症状の総称。安静時の自発痛(-)。9割は自然治癒するが、残り1割は慢性化するとされる。
2)自覚症状:3大症状は、開かない・痛い・音がする
3)病態生理と分類
歯のくいしばり、ストレス若年者(20歳代)の靱帯(軟らかいので伸びてしまう)
↓ ↓
①咀嚼筋の緊張②関節円板がずれる
↓ ↓
開口時痛開口制限=若年者の典型的顎関節症像
↓
顎関節の持続的負荷、40~50歳代
↓
③関節変形