歯の基礎知識
1.歯の作用:食物の咀嚼、発声の補助
2.歯の構造:歯冠、歯頚、歯根の3部がある。
歯髄:象牙内部で、神経血管に富んだ組織。
象牙質:歯の内部。
エナメル質:歯冠の表面にあり、象牙質を厚
さ1~2㎜で覆う。
セメント質:歯根の表面にある。歯根膜で歯
槽骨と強く結合している。
3.歯の基本名称と機能
切歯
犬歯
かみ切り切歯+犬歯=前歯
小臼歯: かみ砕き
大臼歯: すりつぶし
4.歯の配列と名称
1)乳歯配列
計20本(乳幼児)。6~7か月で崩芽し、3歳半頃(幼稚園に上がる前頃)完成する。
乳歯は永久歯よりカルシウムの割合が少なく軟らかいので、虫歯になると進行が早い。
上顎
右)E D C B A A B C D E(左A 乳中切歯B 側切歯
E D C B A A B C D E C 乳犬歯
下顎D 第1乳臼歯E 第2乳臼歯
2)永久歯配列
計32本(成人)。内訳は上下おのおのに切歯4、犬歯2、小臼歯4、大臼歯6本。
6歳~12歳頃までに「歯の交換」が生じ、永久歯に代わる。最近では第3大臼歯
(親知らず)が生えない者が多く、その場合は合計28本になる。
上顎
右)8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8(左
8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8
下顎
1 中切歯2 側切歯3 犬歯4 第1小臼歯5 第2小臼歯
6 第1大臼歯7 第2大臼歯8 第3大臼歯(=親知らず)
乳歯は、犬歯と臼歯と切歯からなる。永久歯は、2本の乳臼歯に代わり、
2本の小臼歯と3本の大臼歯がある。
歯科の主な疾患
1.歯痛
1)歯痛の定義蝕歯
歯痛とは、歯とその周囲組織に原因のある痛みの総称。歯周疾患歯肉炎
三叉神経の終末枝が歯髄・歯根膜・歯肉に存在し、刺激歯周炎
を受けることで痛みを感じる。(歯槽漏)
2)歯痛の分類
歯痛の原因は次のように分類される。最も針灸が適応となるのは放散性歯痛であり、他の
原因による歯痛では針灸は単なる対症療法となることが多い。歯肉の充血は針灸の適応であ
る。
①原発性歯痛:歯牙、歯周囲組織に器質的変化があるもの。
②続発性歯痛:全身性疾患(白血病、敗血症、梅毒、糖尿病)の一部分症状。
③放散性歯痛:歯牙および歯周囲組織に隣接する器官の疾患により、歯にも原因があるよう
に感じられる疼痛。眼、耳、鼻の疾患に由来することが多い。
④三叉神経痛:歯牙の近傍に限局している場合は歯痛として訴える。2・3枝痛。
悪性腫瘍が三叉神経を直接的、間接的に刺激すれば、歯や歯周組織に異常が
なくても歯痛を感じる。歯痛を初発症状とすることがある。
⑤歯髄充血:局所的に流血量が増加し、一過性の疼痛を生む。