②内因性≒感染性
特徴:ウィルス感染が多い。中年以降に発症(35才以上)
機序:ウィルス感染→粘膜上皮の刺激物受容体を露出→粘膜浮腫と血管透過性亢進
③混合性:外因性と内因性の混合型
3)症状:三大症状は咳、喘鳴、呼気性呼吸困難。
強度発作時は起座呼吸(下半身に血液が集まり肺鬱血が軽くなる)
①気道分泌物過多:咳嗽、喀痰、喘鳴、湿性ラ音
②気管支攣縮:呼吸困難、閉塞性障害
③内因性のみの所見:アレルギー反応(IgE増加、好酸球増加)
4)現代医学治療
呼吸困難の発作時には気管支拡張剤を使うのはもちろんだが、気管支喘息は気管支
の炎症が本体であると認識されたので、治療の重点は気管支の炎症を軽くして気管支
の腫れを引かせる方に置かれるようになった。すなわち治療の2本柱は、吸入ステロ
イド薬とβ2刺激剤である。語呂:別(β2)機関を開く(気管支を拡張)。
平成21年からは、上記治療をしても、なお発作が起きやすい重症の喘息患者には、新薬オマリズマブが使われるようになった。ゾレアは、喘息などの即時型アレルギー反応を引きおこすもと
であるIgEに直接結合して、IgEの働きを遮断する作用がある。アレルギー物質が体内に取り込まれて
も、それに反応するIgEが働きをなくしてしまうので、理論上はアレルギー反応を消滅させることが可能
でり、注目を集めている。月に1~2回、皮下注射する。健保3割負担者では3万円以上かかる。
5)予後
喘息では、薬なしで発作が2年以上起きない状態を「寛解」、5年以上続いている
状態を「治癒」と判定する。患者の10%弱は、寛解か治癒に誘導できると考えられて
いる。「気管支喘息は完全に治せないかもしれないが上手につきあうことはできる」
といった表現をする。(東京ぜんそくシンポジウム2001.9.8)といった表現をする。
とはいえ現在でもわが国では、年間2 5 00人が亡くなっている。本患者の平均余命は、
正常人に比べて12年ほど短命であるという。
2.類似疾患の除外
1)気管支炎
咳嗽と喀痰が主訴で呼吸困難はない。喀痰は多量。
気管支の慢性炎症や過敏症の結果として、湿性咳(粘液分泌亢進で喀痰・咳受容体
刺激)の病理変化が強いものが慢性気管支炎。呼吸困難(気管支痙攣・気道浮腫)
の病理変化が強いものが気管支喘息。
2)喘息様気管支炎
本来が気管支炎であり咳嗽喀痰が主。気管支からの粘液分泌増大し、喘息様の呼
吸困難があるかのように見える。風邪の二次感染で生じ治癒しやすい。小児に好発。
3)心臓喘息→左心不全の項参照
気管支喘息心臓喘息
呼吸困難の様式呼気性呼吸困難呼気吸気性呼吸困難
痰の性状無色透明で高粘稠度低粘稠ピンク色の泡沫状痰
モルヒネ禁忌(気管支分泌機能抑制) 有効
モルヒネはCOPDには禁忌
心臓喘息の痰:肺鬱血の結果、血液水分が血管から気管支へ滲出。