②2度:靱帯の部分断裂
症状:ある方向に動かすと痛む。関節腫脹、強い疼痛、関節血腫。放置すれば関節機能障害
治療:捻挫の後、関部を圧迫し、心臓より高く上げて冷却(痛めた関節を、氷水の中に15分~30分入れて冷やす)。安静は24時間~48時間。翌日は受診が必要。
処置:ギプス固定3~5週、その後に筋力強化訓練
最近ではギプス固定すると固有知覚を障害するので、治癒が遅れるとされ、
サポーター程度の弱い固定の方が好ましい、と考えるようになった。
③3度:靱帯の完全断裂
症状:関節不安定(異常可動性)で動作困難
治療:現場の応急処置として、患部を圧迫し、心臓より高く上げて冷却。(氷水中で徹底的に冷やす)。圧迫したまま、医療機関で受診する。
処置:ギブス固定、機能的装具療法、手術療法(靭帯再建術)
8週~10週に競技復帰を目指して治療を行う。
足関節ROM
底屈→45°背屈→20°
外返し→20°内返し→30° 外(外返し)
症状と処置
①炎症過程(急性期)
捻挫では関節包靱帯を損傷し、関節包靱帯の内面の滑膜層に炎症性の腫脹が発生する。腫脹の中身は滑膜層からの分泌物で、これが関節包の中に充満すると関節の可動範囲が狭まり、疼痛が発生する。
関節包靱帯やそれを補強する側副靱帯などが部分断裂を起こすと、その部分より出血を生じ、見た目にも青黒く皮下出血斑が広がっているのが確認できる。
そのため、いち早いRICE処置が必要となる。
②消炎期(治癒期)
3~4日の急性期が終わると、腫れも落ち着き、各組織が移動を始めて新しい組織を生み出す準備を開始し、組織修復が始まる。この頃になると、最初の炎症期のような激しい痛みはなくなる。
③再生期(修復期)
腫れが引き、治癒の準備ができると組織は再生と修復を始める。筋肉や腱、靭帯などの組織は、受傷後3~4日して瘢痕組織を形成してしばらくの間、補強され、数ヶ月後にはほとんど元の組織に回復します。この瘢痕が存在する時期は、捻挫を再発しやすい時期でもある。
この時期に捻挫を繰り返して瘢痕組織を傷つけると、捻挫が慢性化してしまう。
また受傷後の毛細血管はケガから2~3日で修復を開始し、新しい血管を形成していく。この段階は約4ヶ月も続くことがある。
新しい組織が強い構造(ケガの前の正常な構造配列)を形成するためには、ある程度のス
トレス(運動)が必要なことから、適切なリハビリが重要になる。