別称運動枝症状知覚枝症状代表穴
C1後枝後頭下神経後頭下筋コリなし天柱
C2後枝大後頭神経後頸部筋コリ大後頭神経痛下天柱
C2・C3前枝小後頭神経なし小後頭神経痛下風池
③大後頭三叉神経症候群の治療-天柱刺針
三叉神経の一部(三叉神経脊髄路)は橋から出て、いったん上部頸椎の高さの脊髄まで
下ったのち、再び上行して三叉神経節に至る。この解剖学的特性により、C1~C3頚神経
後枝(主に大後頭神経)が興奮すると、それが三叉神経(とくに第1枝)を興奮させ、眼
窩にまで痛みを起こす。要するに後頭部に痛みがある場合に、目の奥の痛み、目の疲れ、
まぶしさを同時に自覚する。これを大後頭三叉神症候群(GOTS )とよぶ。天柱がトリガーポイントとなる
2)三叉神経第1枝に対する治療
眼周囲にある筋肉の疲労で眼精疲労を生ずるという考え方はあるが、日常生活程度の負荷で
は疲労は起きないとする見解もある。事実、顔面痙攣の患者でも顔面筋が疲れたという訴えは
あまり聴取できない。三叉神経第1枝の興奮こそ眼精疲労を生む原因とも考えられる。
三叉神経第1枝や項部を刺激すると、その分枝の長毛様体神経が刺激されて交感神経緊張状
態になるので、瞳孔散大が起こる結果、施術後に外界が明るく見えるようになる。
三叉神経第1枝は、眼窩底の上眼窩裂から出て、上眼窩と眼球の間隙を走り、前頭部と鼻梁
へと分布する。その本来的な局所治療法は、睛明深刺による上眼窩裂刺激であるが、施術が難
しい部なので、眼の周囲や後頭部への施術により、三叉神経第1枝の末梢を刺激するのが普通
である。
とくに交感神経の興奮を目的とするのであれば、星状神経節刺激として星状神経節刺針また
は座位で肩中兪から深刺し、間接的に星状神経節を刺激する。
鼻毛様体神経:純知覚性の神経。鼻粘膜(嗅覚粘膜を除く)、涙嚢、鼻背皮膚の知覚を支配。
長毛様体神経:ぶどう膜(毛様体、虹彩)と角膜の知覚を支配し、また瞳孔括約筋と散大筋
を交感性副交感性に支配する。
涙腺神経:知覚性。涙腺、結膜、上眼瞼に分布。本神経刺激により、異物を洗い流す目的で、
涙が出る。
①上眼窩内刺針
位置:眼球と上眼窩の間隙。
刺針:閉眼させ、細針にて静かに直刺1~2㎝。置針。
解説:涙腺神経、眼窩上神経などを刺激すると思われる。
注意:瞳孔線上から行う眼窩内刺針は、上眼動脈があるので内
出血しやすく、またそれが拡散やすい。紫色の瘢痕を生
じ、ひどい場合には内出血して腫れ上がることがある。
数十回に1回は内出血し、これを完全防止するのは困難である。
眼窩内刺針には、鎮静作用もあると記し、鎮静法として内眼角付近から
の眼窩刺針