眼精疲労
眼痛(+)→慢性緑内障
よく見えない目がかすむ→白内障(R/O 糖尿病性)
ぶどう膜炎←サルコイドーシスによる
眼底出血← 糖尿病性網膜症による
像が歪む、像の一部欠損→中心性網膜炎、網膜剥離
目がチラチラする→ 飛蚊症(R/O 網膜剥離、ベーチェット病)
目の乾燥感→ドライアイ(R/O シェーングレン症候群)
機能性眼精疲労、仮性近視、心身症
2.仮性近視
1)病態
近見作業の連続では、毛様体筋の輪状筋が、収縮を強いられ、縦走筋が伸張を強いられる。
遠方を見ても水晶体が十分には薄くならず、網膜の手前で像を結ぶ状態。屈曲性近視ともよぶ。
R/O 近視:近視とは像が網膜の手前に結ぶ状態で、軸性近視ともよぶ。
軸性近視は遺伝性で基本的に治療法がなく、メガネで矯正する。
2)症状
近視と仮性近視の症状は同じ。ともに遠見時に像がぼやける。
近視は、眼の構造的な原因に由来するので治療法はなく、眼鏡で矯正する以外にないとされていたが、
1990 年代にアメリカを中心にレーシック 手術が行われるようになった。角膜屈折矯正手術の一種で、
目の表面の角膜にレーザーを照射し、角膜の曲率を変えることにより裸眼視力を矯正向上するもの。
3.飛蚊症
ひぶんしょう
1)病態
老人性飛蚊症:硝子体は透明なゼリー状のゼラチン質でできているが、わずかに含まれる膠
原線維が濃縮されたり固定されなくなったりして、眼球運動に伴って硝子体の中を動く
ため、糸くずや虫などの浮遊物が飛んでいるように見える(これらの影が網膜に映る)。
網膜剥離:硝子体の一部が液状に変化し、硝子体が収縮して網膜から剥離する。
2)分類原発性飛蚊症=生理的、老化現象←以前から見える浮遊物の数や形に変化ない
症候性飛蚊症網膜裂孔(網膜剥離の原因の一つ)
網膜剥離←急に飛蚊症が多量に現れる
ぶどう膜炎←血管から白血球や滲出物が硝子体に入り込む
眼底出血(糖尿病、高血圧による)
3)鍼灸の適否
飛蚊症は比較的多い症状であるが、加齢によるものから眼精疲労によるもの、網膜剥離の前
兆、糖尿病性網膜症による眼底出血、後部硝子体剥離によるものまで、様々な原因があるので、
眼科での検査は必須である。
鍼灸治療は硝子体内の物理的な繊維等の遺残や、加齢による硝子体融解・液化、後部硝子体
剥離による瘢痕は生理的飛蚊症と呼ばれ、治療の対象にはならない。眼精疲労の改善や網膜剥
離、糖尿病性網膜症等での眼底出血の予防として、鍼灸治療は有効である。こうした飛蚊症で
は治療直後に消失したり薄くなったりするので、針灸治療が適応かどうかは1回の治療で分か
る症状である。特に体調の変化や毎日・毎時ごとに増減する飛蚊症には、針治療を推奨でき
る。