①遠心性交感神経反応
異常内臓→ 交感神経節→ 脊髄(皮膚の冷え、やつれ、立毛、発汗など)
②脊髄神経反応
(皮膚表在痛、筋深部痛、筋コリ)
脊髄神経反応筋反応:深部痛(圧痛)、筋緊張(硬結)
皮膚反応:表在痛(撮痛)
表在知覚:痛覚、温度覚、触覚
深部知覚:深部痛覚、関節覚(位置覚、運動覚)、振動覚
(表在知覚は温・触、深部知覚は関・振。痛覚があるのは当然なので省略)
2.交感神経反応と体性神経反応
1)腹部の交感神経幹と交感神経節
交感神経幹は胸椎や腰推の両側を下り、下は骨盤部に連なっている。その経過中には4~5
個の神経節があり、これらは一方では交通枝によって、各腰神経と連絡するとともに他方では臓側枝を下記の神経叢に送っている
①腹腔神経叢:大動脈の横隔膜貫通部の直下で、腹腔動脈と上腸間膜動脈の基部の周囲に入る。
②上腸間膜動脈神経叢:上腸間膜動脈の起始部をとりまいてある。
③下腸間膜動脈神経叢:下腸間膜動脈の起始部にある。
④上下腹神経叢:腰神経節の臓側枝と腹大動脈壁上の交感神経叢の枝が正中部で合してできたもので、仙骨の前を骨盤腔に下り、骨盤神経叢の形成にあずかる。
以上の神経叢のなかにはよく発達した神経細胞の集団があり、それを主体に考えた場合にこれらを腹腔神経節、上・下腸間膜動脈神経節と呼ぶ。
これらの神経叢から派出する多数の枝は腹大動脈とその臓側枝の壁上で著しい神経叢を作りながら、これらの動脈に伴行して末梢に走り、骨盤以外の腹部内臓に分布する。(左右の腹腔神経節をあわせて、太陽神経節ともよばれている)
これらの神経節はいずれも脊柱の前側にあるので、椎前神経節とよぶことがあり、これに対して脊椎前面にある神経叢を、椎前神経節とよぶことがある。
2)椎前神経節の反応パターン
内臓→椎前神経節と伝達。椎前神経節とは、椎体前面にある交感神経節の総称。腹腔神経節、
上腸間膜神経節、下腸間膜神経節などをさす。椎前神経節の興奮は、上・中・下腹部の正中
付近に漠然とした、C線維興奮による腹痛部位感を生ずる。
①腹腔神経節支配(Th6~Th9):心窩部付近の鈍痛
上部消化器内臓(胃・十二指腸・肝・胆・膵・脾・腎)
②上腸間膜神経節支配(Th10~Th12):臍部周囲の鈍痛
小腸、上行結腸、横行結腸の前2/3
③下腸間膜神経節支配(L1~L2):下腹部正中付近の鈍痛
膀胱・生殖器・横行結腸の後1/3、下行結腸~直腸
交感神経優位臓器の興奮は、左図のa→b→cのルートを通り、体壁に病的な症状所見を現す。
a.内臓→椎前神経節
b.椎前神経節→椎傍神経節
c.椎傍神経節→交通枝→脊髄神経