天気が悪くなる前に、痛みが増す、体調が悪くなるしくみ
天気が悪くなる低気圧が接近すると、気圧が下がる
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内耳の気圧センサーが大気圧の変化を感知
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体を活動的にする交感神経の活動が活発化、血圧と心拍数もそろって上昇し
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血液中のノルアドレナリン(交感神経の伝達物質)の量が上昇
ノルアドレナリンの作用で、痛覚閾値低下(痛みを感じやすい体へ)と末端の血流不全
血管を収縮させると酸欠状態になり、末梢で血液の流れが悪くなり
痛みを感じる神経を刺激する物質が産生される
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痛みなどの不快な症状を感じる神経や関節が痛む状態になる
様々な不定愁訴、痛みやコリ感などの諸症状を誘発する原因となる

内耳は、聴覚だけでなく、平衡感覚や姿勢を維持するうえで重要な器官です。低気圧がやってきて体調不良となる時には、内耳のコンディションも低下して、痛みやコリ感などと同時にめまいや耳鳴りが頻発してしまいます
気圧の低下は体内のヒスタミンを増加させる作用があります
ヒスタミンは、外部からの刺激に反応して増え、アレルギーや関節の炎症を起こし血圧を急に下げ、血管を拡張させ、炎症を起こす作用があります
またヒスタミンには神経伝達物質としては交感神経を刺激するという働きもあるため、これにより筋肉や血管が収縮した結果、疲労物質が滞り、痛みを感じやすい状態になってしまいます。そして、これとは対称的に脳の血流を上げる作用もあります。天気痛の症状に偏頭痛を伴うことがある
気圧の低下で痛みを感じやすくなるため、腰や膝など以前傷めたりした古傷や神経痛、リウマチ、頭痛などの症状を持っているなど、あらかじめ損傷や炎症などが存在している場合は疼くように感じてしまう

青の実線が気圧の減圧した時間を示している。低気圧が関与するというよりは、急激な気圧の変化・変化が起こったときだけが痛みに影響します
低気圧が近づいているとき、気圧が下る変化のときに痛みが強くなります
気圧が下って、体が順応すれば痛みも治まります
低気圧による細胞の膨張化で神経が圧迫されることも、痛みの原因にもなります
内外の気圧差が生じて体の細胞が膨張を始め、膨らんだ細胞に神経が圧迫され、神経痛などが起こります
関節の圧力は普段、外から内に向かってかかっています
天気が悪くなる(低気圧が近づく)と、大気圧が下がり、普段とは逆に関節内から外に向かう圧力が勝ります
日頃から常に負荷がかかり、組織や構造が弱くなっている所が真っ先に痛み出すことになります
男性よりも女性の方が気圧の変化の影響を受けやすいということもあります
女性は男性と違ってホルモンの分泌の問題があります。女性は月経があるため常に変化しています
自律神経とホルモンのバランスは密接な関係にあります。ホルモンのバランスが崩れたら自律神経にも影響が出ますし、その逆もあります。そこに気圧の変化という要素が加わることを考えますと、男性よりも女性の方が気圧の影響を受けやすいといえると思います

慢性痛はストレスなどで交感神経が緊張すると悪化することが特徴です
気温の変動による自律神経の乱れでも痛みを増幅させます
血管は寒くなったときに収縮し、筋肉もこわばります。交感神経が関節や筋肉の周辺で、血管を収縮させて神経を過敏にさせる事が原因ではないかと考えられています。
気温が低下することでも、血液の流れが悪くなり、交感神経が刺激されることで痛みが生じると考えられています