鼻アレルギーの基本鍼灸治療
星状神経節刺針鼻アレルギー治喘施灸
アレルギー性鼻炎における体質改善の意味
アレルギー性鼻炎の代表的な発症機序である、特定の異種蛋白(アレルゲン)に対して抗体が作られ自己の免疫系が過剰反応して症状が出現するI型アレルギーに限定して言えば、現在の医療では抗体自体を直接減らす治療法はない。ただしアレルギーの発現に関しては、たとえ同じ抗体の量、同じ粘膜の状態でも自律神経に調節される体調によって症状の出易さに大きな違いがある。
針治療や星状神経節ブロックは、原則的には治療中のアレルギー反応を起こり難くしたり自律神経失調を改善するもので、直接的な持続効果はないが、治療をある程度続ければ、治療中にアレルギー反応が抑えられることから徐々に粘膜が正常化してゆくため、その後しばらく症状が出現しにくくなる。
例:1週間、外来処置や薬物治療すれば→直接アレルギー反応が抑えられるので、その間は調子がいい。
2ヶ月、外来処置や薬物治療すれば→粘膜が正常化してゆくので、治療後もしばらくは調子がいい。
3.鼻部・前胸部・上背部の湿吸(蔡篤俊)
病気を予防するには、動物系蛋白毒素が溜まらないように、体内に入ってくる毒を減らし、入った毒は速やかに排出することが大切である。毒を出す方法としては鼻の周りと前胸部、上背部、後頸部に多数の電動湿吸を実施する。
湿吸の前には針治療を実施する。特定の病気のある者は、患部周辺などに、神経に沿うように小石のような小さな異性タンパクの固まりができている。この異性タンパクの固まりは、代謝されなかったタンパク質や蛋白毒素が固まったもので、さまざまな病気の炎症・痛み・コリなどの原因にもなっている。その固まりに針治療を施すと、固まりが崩れてタンパク質や蛋白毒素が排出されていき、病巣は縮小消滅し、炎症や痛みなどの症状も治まっていく。上記治療により、花粉症は5回以内の治療で根治できる。
4.耳穴(外鼻・内鼻・内分泌)への刺激
花粉症に対する、耳ツボ刺激が一部の治療院で行われている。耳珠とその下方に円皮鍼または銀粒を入れるか、指先でマッサージ(1日2回、1回3分間)をする。4~5回で効果が現れ、10~20回で改善することが多いという。有効率8割程度。
咽頭の疾患
鼻部:外鼻、鼻孔、鼻腔、副鼻腔
上気道咽頭上咽頭
(境界は軟口蓋)
中咽頭
(境界は喉頭蓋)
下咽頭
喉頭(C4~C6棘突起間)
下気道:気管、気管支
肺胞
舌骨はC3棘突起、喉頭蓋はC4棘突起、
輪状軟骨はC6棘突起の高さ。
食物道:口腔→中咽頭→下咽頭→食道
呼吸道:鼻腔→上咽頭→中咽頭→喉頭→気管
支配神経症状代表疾患
上咽頭三叉神経第2枝鼻~上顎の痛み上咽頭→アデノイド、耳管狭窄
咽頭中咽頭舌咽神経舌根部~咽頭の痛み中咽頭→扁桃炎
下咽頭上喉頭神経舌骨~喉の痛み咽頭全体→咽頭炎
喉頭迷走神経咳嗽、嗄声喉頭炎、反回神経麻痺