腎・泌尿・生殖器症状
腎・泌尿器疾患と体壁反応
腰部の反応
交感神経骨盤N .
腎臓、尿管(+)Th11~L2後強い支配(-)
膀胱~尿道(-)L1~L3前弱い支配(+)
睾丸(-)L1~L3? 弱い支配(+) 仙骨部の反応
大腿前面の反応(弱い)
1.腎臓、尿管疾患による体壁のコリ・痛み反応
1)交感神経反応
腎臓と尿管はTh11~L2交感神経支配で交感神経優位である。この間のL2~S2間に入る
交感神経は、この区間内で体表反応は出現しないという特徴がある(L2~S2は腰下肢の体性
神経制御で精一杯)ので、上述の交感神経性の体壁反応はTh11~L1の範囲となり、皮膚のや
つれ・冷え・立毛などの反応として出現する。
鍼灸治療を行うにあたっては、交感神経反応はとらえにくいので、鍼灸臨床では交感神経興奮
により引きづられて生ずるTh11~L1脊髄神経反応(皮膚の痛みや過敏、筋コリや深部痛)を
探し、これらの反応を目安として施術することで、交感神経興奮の抑制を図ることになる。
骨盤内臓器の反応の特異性について
内臓反応は、内臓→交感神経節→脊髄と刺激が伝達され体壁反応が出
現し、基本的に交感神経系は脊髄分節T h11~ L2の間で1:
1の関係で対応しているのであるが、脊髄はTh1より上とL2~S 2
の範囲で交感神経節の興奮を受け入れることができない。
C1~C8は頸、肩、上肢の体性神経系(運動や知覚)支配に専念し、
L2~S2は腰下肢の体性神経系の支配に専念しており内臓支配する余
力はない(白交通枝がない)。
腎臓、尿管の体壁反応は、Th11~L2体性神経デルマトーム
上に現れるべきものだが、L2の反応は脊髄に届かないので、体性神経
デルマトーム反応としてはTh11~L1として出現する。
2)後枝反応と治療点
腎臓・尿管の交感神経反応は、交感神経節→交通枝→脊髄神経という経路を通って、脊髄
神経反応として体表反応(コリや痛み)を示す。この体表反応は、脊髄神経後枝の反応とし
て現れる。
①Th12~L1の内側皮枝
起立筋部から浅層に出て走行。経穴では胃兪一行と三焦兪一行あたり。
②Th12とL1の外側皮枝
第12肋骨尖端の起立筋部と腰方形筋が腸骨稜上縁に付着する部から浅層を走行。経穴では
京門と外志室あたり。L1~L3腰神経外側皮枝の別称を上殿皮神経とよぶ。
3)腎臓、尿管疾患の治療点
腎、尿管疾患の基本鍼灸治療
腎・尿管疾患後枝
Th12~L1
内側枝→(胃兪一行、三焦兪一行)
外側枝→(京門、外志室)