ヘバーデン結節
病態:手指のDIP関節にみる変形性関節症で、40才以上の女性に多い。原因不明。 RAとの鑑別が重要。語呂:「女は40でへばる(ヘバーデン)」 ※ブシャール結節Bouchard node :手指のPIP関節にみる変形性関節症。機序はヘバーデン結節と同じ
主症状:単発または多発性に手のDIP関節が変形と疼痛および初期には炎症症状(赤く腫 れる)を伴う。3ヶ月から数年の経過で、変形は残存するが痛みは消失する。 患者の大多数は、変形を問題視しておらず、痛みを軽くしたいと思って来院する
母指CM関節症
病態 母指の第一中手骨と大菱形骨の間の関 節をCM関節とよぶ。母指は他の四指と 向き合ってつまみ動作ができるように、 大きな動きのある関節である。 それだけにオーバーユースや老化に伴 い、関節軟骨の摩耗が起きやすく変形が 起きやすい。進行すると関節が腫脹した り、亜脱臼することもある
症状 母指の付け根の部分が腫れて出っ張ってくる、押すと痛みが出る、母指を動かしたり力を入 れると痛みが出る
手根管症候群
病態生理 手根管とは、手根骨と屈筋支帯の間隙をいう。ここを通る正中神経が圧迫刺激され、圧迫部 から末梢の正中神経麻痺が生じた状態が、手根管症候群である。 原因として、特発性、妊娠、骨折、腱鞘炎、RAなど。 手根管を通るもの:「慎重な僕、正に苦戦」 慎(深指屈筋)重な僕(長母指屈筋)、 正(正中神経)に苦戦(浅指屈筋) 屈筋支帯:近位は豆状骨~舟状骨、遠位は有鉤骨~大菱形骨間を結ぶ。手根管が縦走する。 屈筋支帯中央部に横手根靱帯がある。正中神経圧迫の好発部位。 豆鉤靱帯:豆状骨~有鉤骨を結ぶ。ギヨン管が通る。尺骨神経圧迫の好発部位
症状 小指以外の指端の痛みと異常知覚(ピリピリ、ジンジン)。進行すると母指球萎縮し、 ものをつまむ動作がしづらくなる
ギヨン管症候群(尺骨神経管症候群)
原因:尺骨神経が、豆状骨と有鉤骨との間の尺骨神経管 (Guyon管)内で絞扼された状態。稀な疾患
症状:小指球部の萎縮、手の第4~5指の知覚異常 フローマン徴候(+)、チネルサイン(+)