胸やけの原因
機能性胃腸症の症状の一つとされる。 ①食道下部の拡張刺激:風船を食道に入れてふくらませると、胸やけが起こる。 ②胃の逆蠕動食道への胃液逆流(逆流性食道炎) 噴門閉鎖不全(噴門部の神経筋異常) ③胃酸濃度は無関係(かつては胃酸過多で胸やけを起こすと考えられていた)
悪心嘔吐
悪心嘔吐の概要 嘔吐とは本来は飲食した毒物を、体外に出すための合 目的な反射運動であり、その際に生ずる自律神経症状が 悪心である。嘔吐中枢は延髄にある
①中枢性嘔吐(嘔吐中枢直接刺激) a.嘔吐中枢の物理的刺激 脳圧亢進(脳腫瘍、髄膜炎、脳出血) 大脳皮質興奮(痛み、臭い、光景)
脳圧亢進 頭痛と嘔吐が同時にみられるならば、まず脳圧亢進を疑う。この場合、嘔吐中枢直接刺激す るため悪心は伴わない。脳圧亢進を生ずる大部分の疾患は、片麻痺や激しい頭痛(クモ膜 下出血時)などの重篤症状が出現する。ただし脳腫瘍は症状が不定で要注意。 脳圧亢進の三大徴候は、頭痛、嘔吐、鬱血乳頭。 ちなみに、髄膜刺激症状の三大徴候は、頭痛、項部強直、ケルニッヒ(ズッコケと記憶)
脳腫瘍:嘔吐は1/3にみられる。早朝起こることが多い
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嘔吐中枢の化学的刺激 CTZ Chemoreceptor Trigger Zone(化学受容体)仲介による。 血中薬物:モルヒネ、ジギタリス、ニコチン中毒、抗癌剤など 体内毒物:尿毒症、肝不全、妊娠悪阻
つわり 成人女性では妊娠6~7週間後につわりが出現する。つわりの強いものを妊娠悪阻という
②末梢性嘔吐(末梢からの求心性刺激による)<反射性嘔吐> a.内耳迷路性:めまい(メニエール病、乗り物酔い) b.迷走神経性:主として消化管粘膜刺激(食道・胃・腸の各疾患) c.舌咽神経刺激:舌根、咽頭の機械的刺激
食欲不振
除外診断 最も多いのは胃を中心とした上部消化器機能低下であるが、まず次の疾患を除外診断する。 R/O 非消化器疾患
①全身疾患の一部としての食欲不振 甲状腺機能低下症:寒がり、便秘、倦怠感、徐脈→甲状腺ホルモン治療 貧血:動悸、息切れ、易疲労→貧血の原因追及が必要。大部分は鉄欠乏性貧血。 悪性腫瘍:食べていても体重減少する。(1ヶ月間で3㎏、3ヶ月間で5㎏以上) 癌になると、癌細胞から筋を破壊する物質が分泌されて、脂肪ではなく、主にタンパク質と糖が 消費され、筋肉を破壊してエネルギーを補うようになる。筋肉が減ることで体重減少が起こる。 体力が奪われるので、元気がないように見える
②精神疾患 デプレッション(抑鬱状態) 神経性食思不振症:食事をしたいとは思わない。るいそう。ドーパミン分泌過多になっているので、意外に活動的。 ドーパミン分泌低下では、欝病やパーキンソン病が生ずる