便秘者への生活指導
緊張性便秘、過敏性腸症候群 交感神経と副交感神経のバランスをよくするため、その切替えをうまくすること。 緊張が続いたあとはリラックスするなど、メリハリのある生活習慣を心がける
弛緩性便秘、常習性便秘の治療プログラム 排便ネットワークの正常化と横隔膜の鍛錬が重要だが、その前に大腸内の悪玉常在大腸菌を 洗い流すことも意味がある
①下剤を使用し、大腸リセット 腸内悪玉菌であるウェルシュ菌等を洗い流す。これで腸内細菌は以前の1000分の1になる
②乳酸菌飲料を飲む 腸内細菌は24時間以内には元の数に戻るので、多量に排便があった直後(1時間以内) に乳酸飲料400mlを飲む。その日は水分補給のみで断食
③排便ネットワークの再構築 ・直食後トイレに行く習慣(排便のイメージトレーニング) ・規則正しい食生活、食生活の改善 大便の材料となる食物(繊維質の多いもの)を摂る。玄米、麦飯、豆、海藻、 野菜、果物、キノコなど ※繊維性の食物が便秘に良い理由 繊維は消化されず、水を含んで大腸に到達し、便の量を増やす。便の量が多くなると排便反射を刺激す る。昔は繊維質は不消化物だといって食べるなといわれた。野菜、くだもの、芋、豆類がよい。ジュー ス(ミキサーで作ったもの、ジューサーは不可)もよい。果物は皮と一緒に食べること。リンゴは皮ご と、ミカンは袋ごと食べる
④腹筋と横隔膜の筋肉トレーニング ・下肢伸展での座位。息を吸って止めた状態で、下肢挙上しV字姿勢。そのまま下肢を左右 2回ずつ振る。そして足を降ろしながら息を吐く。これを4回、3セット朝晩実施。 ・マニピュレーション:1周15秒を目安に、腸の流れに沿いながら、腹を軽く押圧
下剤などへの説明対応 ・センナ、ひまし油などの刺激性下剤はよく効くが、長期使用は、排便反射を減退させ、次 第に使用量も増加する。かえって自力排便を困難にする。 ・酸化マグネシウム(通称カマ)は便をふやけさる。水を便中に取り込み、体積を増し、軟 らかくすることで排便を促す。副作用が非常に少ないので長期使用にむくが、排便効果は 弱い。 ・重症化した便秘には浣腸を使用。根本解決にはならない。 ・腸洗浄(40分程度の時間をかけ、10ℓ の水で腸を洗う)も有効だが、専門の処で行 うと1回2万円と高価。悪い作用をする腸内細菌を洗い流す作用がある(24時間で元の 数にまで増殖する)