治療
Ⅱ型肉離れでは、その状態のまま包帯などで固定されて2~3週間絶対安静と言われる。その
後、包帯がとれてからリハビリが始まり、普通に歩けるようになるのにさらに2~3週間かかる。
筋肉が萎縮したまま包帯で固定してしまうと、筋肉が短縮し、廃用性萎縮も加わるため、瘢
痕ができた後も、筋が伸張しづらいので痛みがでて、すぐには歩行できない。
スポーツ外傷の応急処置RISE
禁忌はマッサージ、温熱療法、過度のストレッチ(これらは受傷1週間後から実施可能)
受傷後2~3日はRICE処置。炎症や内出血を、最小限にとどめる。自然治癒力による修復は3日後から始まる
①Rest(休息):患部は動かさないで安静に保つ。痛みがなく身体部分が機能するまで。
②Ice(氷冷):血管を収縮させ、出血を抑える。受傷後、間欠的に12~24時間実施。
③Compression(圧迫):外から圧迫を加え、止血を促進。常に腫脹が消えるまで実施。
④Elevation(高挙):受傷部位を心臓より高く挙げて、静脈血の循環や組織間液および
リンパ液の循環を促進させる。受傷後24時間実施。
鍼灸治療
Ⅰ型とⅡ型の肉離れに針灸は適応があり、Ⅲ型は不適応である。Ⅰ型は安静を保つことで早
期(数日~2週間)に治癒するので、問題となるのはⅡ型肉離れである。
受傷後直後は、これからできる瘢痕組織の狭小化である。受傷部周囲筋に刺針し、受傷ショ
ックで短縮した筋の緊張緩和を図る。陥凹が触知できる場合、陥凹の両端にある
筋線維の断端を、左右それぞれの手でつまんで互いに接触させるように加圧。加圧は断続的に
5~6分間実施する。治療間隔は2~3日で、完治まで2~3回の治療(1~2週間)を要す
る
その処置後にRISE処置を2~3日行う。
受傷後2~3週間が経過し、歩行時にも痛みがなくなったら、回復期としてリハ訓練を始め
るが、その時の針灸の目標は、筋の伸縮力の改善であって、障害筋全体に刺針施灸して、血
行促進を図る。
足関節捻挫
1)足の骨の種類と構造
足根骨近位列:距骨・踵骨
(7個) 遠位列:舟状骨
第1~第3楔状骨
立方骨
中足骨:第1~第5中足骨
足の指骨:近位から基節骨
中節骨
末節骨
(第1指は中節骨を欠く)
・足の背屈底屈は、距腿関節で行わ
れ、回内回外は距踵関節で行われる。
リスフラン関節(足根中足関節):立方骨、第1~第5中足骨、第1~第3楔状骨で構成。
ショパール関節(横足根関節):距骨、舟状骨、立方骨で構成。