10.周期性四肢麻痺
1)原因:染色体異常によるカリウム代謝異常による低K血症。時々発症する(周期的に起こる
わけではない)。患者の半数に甲状腺機能亢進症がある。
2)症状:血中K低下すると、四肢の筋の細胞膜は興奮できなくなり、筋は収縮不能となる。
四肢(とくに手先と足先)の筋が数時間~数日間、弛緩性麻痺を生ずる。
感覚障害は伴わない。急激な運動、炭水化物や糖分の過食後、インスリン分泌亢進し、
Kの細胞内移動によることが、本症が時々発症する理由となる。
3)所見:心電図上ではU波が出現する。
U波:心電図上でU波の成因は不明であるが
低カリウム血症時は増高する。
高K血症による周期性四肢麻痺:筋収縮後に、自分の意志で
筋を弛緩できないことによる。稀な疾患。
カリウム(K)について
体内におけるKの働きは、浸透圧、神経・筋(とくに心筋)の興奮性に関与する。
食物に含まれるKは小腸から吸収され、余剰のKは腎から尿中に排泄されるので、腎機能不全では高K
血症になりやすい。一方、下痢・嘔吐・利尿剤使用では低K血症になりやすい。
橈骨・正中・尺骨神経刺激の代表穴
経穴位置橈骨正中尺骨
極泉(心) 腋窩中央○ ○ ○
上天泉(心包) 上腕内側、腋窩横紋前端から下2寸○
腕手五里(大腸) 上腕外側、曲池の上3寸○
青霊(心) 上腕骨内側上顆の上3寸○
消濼(三) 臂臑と清冷淵の中央。肘頭の上4寸5分○
肘
曲沢(心包) 肘腋横紋上で上腕二頭筋腱の尺側○
小海(小腸) 上腕骨内側上顆と肘頭の間○
手三里(大腸) 曲池の下2寸○
前郄門(心包) 手関節前面中央上5寸○
腕内関(心包) 手関節前面中央上2寸○
支正(小腸) 手関節尺側で陽谿上5寸○
神門(心) 豆状骨上際で尺側手根屈筋腱の橈側○
手合谷(大腸) 母指と示指のMP関節基底部間皮膚○ 筋○
労宮(心包) 手掌中央○ ○__