ふどう膜炎
①ぶどう膜とは、脈絡膜・毛様体・虹彩の総称。ぶどう膜は、ぶどう色をしており、
角膜から入る光以外を遮断する意義がある。
②ぶどう膜は、血管が豊富なので、そもそも炎症を起こしやすい構造であることと、
血液の流れにより全身の他臓器の炎症が波及しやすいという特徴をもつ。
②網膜にも炎症が波及→視力低下、失明
硝子体に炎症が波及→霧視や羞明、飛蚊症
虹彩や毛様体に炎症が強い→充血、眼痛
③ブドウ膜炎を起こす重要疾患:ベーチェット病、サルコイドーシス
3.サルコイドーシス
1)概念:サルコイドーシスは、ラテン語で「肉のようなものができる(肉芽腫)病気」という
意味で、リンパ節腫瘤の出没を繰り返す疾患。診断の難しい疾病の一つ。
2)原因:慢性進行性の肉芽腫性炎症で原因不明。肉芽腫は、炎症の原因物質を体外に排出でき
ない場合、組織の中に閉じこめてしまう働きをする。
3)症状
身体の一部のリンパ節が腫脹と消退を繰り返す。障害頻度の高い臓器は、肺(呼吸困難)、
眼(ブドウ膜炎による視力低下、霧視、飛蚊症)、皮膚(赤い隆起性病変で、痒みや痛みはな
い)。
4)予後:75 %が自然治癒。対症療法として、治療は炎症を抑えるためのステロイド剤投与
4.シェーグレン症候群
原因:膠原病の一種。免疫異常が原因であり、涙腺と唾液線を自分の体の免疫が攻撃して腺
組織が破壊される。40~60歳女性に多い。症状:皮膚、粘膜、眼の乾燥症候群
涙分泌量低下→目の乾燥→目がカサカサする、乾燥性角膜炎
唾液分泌量低下→口腔乾燥→齲歯になりやすい、乾燥食が食べにくい
その他に、気管支腺分泌低下で気管支炎、膣液分泌低下で性交障害
語呂紅蓮の炎で乾かす乾燥疾患→ドライアイ、口内乾燥、性交痛治療:なし。対症療法として人工涙液や人工唾液の使用
鍼灸治療
低周波パルス針を使用した結果
患者15名と健常者10名に対して、左右の耳垂つけねと顴骨の4ヵ所に深刺し
て30ヘルツのパルス通電を週に2回計10回実施、唾液と涙液が増え自覚症状が改善した。
よく効く者と、そうでない者に分かれるという
5.バセドー病
1)概念・症状
甲状腺肥大に伴う、甲状腺ホルモン分泌過多。自己免疫疾患。
甲状腺が大きくなるために頸部肥大
基礎代謝増大に伴う交感神経亢進症状(頻脈、振戦、体重減少、下痢、汗かき、イラつき)
2)バセドー病の眼症状
眼症状は、バセドー病患者の2~3割にみられる。