4.鍼灸院おけるインポテンスの鑑別
薬剤性の疑い投与した医師と相談
Y
N
鬱病精神科へ
Y
N
夜間睡眠中の陰茎反応器質的障害(専門家に相談)
サイズ、温度、硬度(-)
(+)
視聴覚テスト器質的障害(専門家に相談)
(ー)
(+) 〈〉は針灸単独治療可
〈心因性〉
視聴覚テスト:性的な視聴覚刺激(ビデオなど)を与えて、勃起が起こるかどうかをみる検査
スタンプテスト(切手テスト)
夜間睡眠中の陰茎反応をみる古典的テスト。健常者では夜間のレム睡眠に一致(すなわち一晩
に4~6回)して周期的に勃起がみられる。これを利用し、就寝時に4~5枚つづりの切手を陰
茎に巻き付け、端を止めて輪をつくる。起床時にミシン目が切れていれば正常である。
5.インポテンスの現代医学的治療法-バイアグラ
本剤は、もともと血管拡張機序による降圧剤として開発されたが、特異的に陰茎の血
管拡張をもたらすことにより、インポテンスの治療薬としの効能をもつことになった。
性交渉1時間前に服用する。有効率は7~8割。
心臓発作の予防として硝酸剤やニトリグリセリンなどを服用している者がバイアグラを服用する
と、血圧が急降下し生命の危険がある。最近では改良型薬剤のレビトラが開発、市販された。
6.インポテンスの鍼灸治療
1)睾丸の内臓体壁反射
睾丸の機能低下は、男性不妊症に関係するものであり、勃起力低下や勃起持続時間の短縮と
はあまり関係がない。しかし睾丸は精子産生と男性ホルモン産生という目的をもつ器官
であから、性欲増進目的(精子製造能力や精子運動能力を高める)で、睾丸に関する
体壁-内臓反射の利用が考えられる。年令の数だけ、痛くない程度に毎日睾丸を押圧
するという民間療法も存在する。しかし治療効果については有効だとするだけの資料
に乏しい。副交感神経優位臓器なので、仙部副交感神経刺激点としては中髎を用いる。
睾丸を強打すると、漠然とした強い痛みが下腹部深層と腰部深層に広がるが、日常経験する
下腹部痛や腰痛とは異なる感覚である。
インポテンスの基本針灸治療
骨盤神経(S3)(中髎)
睾丸
陰部神経(S3)
(中極・大赫、陰部神経刺針)
2)勃起と射精不全に対する針灸治療
勃起中枢は視床下部と仙髄であるが、結局は骨盤神経の興奮により陰茎海綿体を充
血させることで勃起が生ずる。勃起と骨盤神経の刺激が継続され、それがある閾値を
越えると視床下部が射精命令を送る。
亀頭など性器の触覚的感受性が鈍化した場合には、性的興奮が弱まるので、性器の知覚を支
配している陰部神経知覚枝を刺激する目的で陰部神経刺針が、また陰部神経の終枝である陰茎