慢性腰痛の場合、安静にしているのではなく、日常生活の範囲でできるだけ動くことが早期回復につながります
腰痛が治るまで、痛いからと言ってじっとしていると、筋力や心肺機能が低下してしまいます。すると、動くことが苦になり、足腰の筋肉が衰えることで腰への負担がおおきくなるので、腰痛が治りにくくなってしまいます。だからこそ、動くことが大事です。
股関節や膝を柔らかく使う
腰に負担をかけない動作のコツは、下半身を上手に使うことです。股関節と膝関節を柔軟にして使うことで、腰椎にかかる負担を分散させます。股関節と膝関節は腰に近く、腰よりも柔軟に動かせる範囲が広くなります。
例えば、床に置いてあるものを持ち上げるときに、まっすぐ立った状態から上半身だけ曲げると、腰に大きな負担がかかってしまいます。しゃがんでから物を手に取り、体の近くで持ち上げるようにすることです。股関節と膝関節を使ってしゃがむことで、腰への負担を減らすことができます。
横に置いてあるものを取る時なども、腰だけを動かすのではなく、股関節や膝関節も動かすように意識するとよいと思います。
座る姿勢
デスクワークの長い人は、座る姿勢に注意してください。座ると腰にかかる圧力が立っているときの40%も増えます。イスに深く腰掛けて、背筋を伸ばし、骨盤の角度とS字カーブを保ち、胸を張った姿勢をすると、腰への負担が少なくなります。
一つの関節の痛みが、別の関節の痛みを呼ぶ 関節の痛みは全身に連鎖するため体のゆがみも出ます
首の痛み 肩の痛み 腰痛 股関節痛 ひざ痛
痛みを感じている関節がただ1か所であっても、そこをかばいながら動いていると、全身のバランスがくずれてしまう。別の関節にかかった余計な負担は、新たな痛みにつながっていく
腰の痛みによって腰やひざが曲がると、膝を曲げないと体を支えられなくなるため、膝に痛みが出てくる。股関節、肩、首にも負担がかかる。
腰の痛みをかばって反り腰になると、自然に膝が曲がり、膝に痛みが出ます。股関節にも負担がかかり、肩と首のバランスも悪くなります。
バランスが悪くなり骨盤が後ろに傾く猫背になると、顎が突き出て上半身がいつも前に出るようになります。頭の重さは約6㎏。これを支えるために、首の後ろや背中の筋肉がずっと緊張を強いられます。慢性的な肩こりになりやすくなります。
また、体のあちこちが固く凝るため,その周辺の血液やリンパの流れが悪くなります。めぐりが悪くなって水分がたまるので、むくみます。また足先などへの酸素や栄養の目義理も滞ります。すると代謝が落ちて冷えが生じます。全身の代謝が落ちるので脂肪がなかなか燃えない太りやすい体にもなります。
姿勢が悪くなると、おなかの中の内臓も垂れ下がり、下腹がポッコリ出ることになります。内臓がお腹の中で積み重なって圧迫されたり曲がったりするので、内臓に通じる血流や神経の働きが抑えられ、内臓の働きが低下します。
足元のコリも姿勢や全身の痛みに連鎖する
足首や足の裏・足指の関節が深く曲がり筋肉が伸縮するようになると足元がコリにくい。
肩甲骨のコリと歪みも連鎖して不調の原因となる
胸が圧迫されて呼吸は浅くなり、筋肉の硬直で血流が悪くなって代謝が低下。内臓も本来の位置からずれるために、機能が落ちる。むくみや肥満などの不調の原因になる。
骨盤のゆがみ
骨盤が傾いたり、ゆがんだりすると、そこに連なる背骨が曲がったり、新たな歪みを生んでゆく。同時に、お腹や腰の部分にある筋肉や内臓に圧迫を加え、腰痛、泌尿器系などの不調になります。