ローカルトウィッチ
局所単収縮反応の事。(LTR=ローカルトウィッチレスポンス) 索状硬結を指で弾いたり、トリガーポイントへの鍼の刺入で生じる筋の局所的な収縮反応 であり、ジャンプサインとともにトリガーポイントの重要な指標とされているが間違いである。 指標としての重要性は「特異性、特異度」と感度により決定される。 責任TPを持つ筋に鍼を刺入してLTRが生じ、その際に発生源認知が一瞬生じる事があ る。つまり責任TPに鍼が当たっていないにも拘わらずLTRが生じている(特異度は低い)。 恐らく収縮で生じた機械的刺激が一瞬間責任TPに及んで発生源認知が生じた為だろう。加 えてTP、責任TPが刺激されれば関連痛(若しくは鈍痛)は必ず生じる。それに比べLTRは3割も生じ無い。この程度の感度では指標にしても意味がない。
トリガーポイント治療
アメリカにおいてはストレッチ&スプレーといってコールドスプレーをしながら筋をストレッチする事で、筋を機械的に引き伸ばしたり、局所麻酔薬の注射が推奨されている。しかしトリガーポイントと硬結の大きさ、分布は一致せず、まして筋全体をストレッチしても硬結が軟化、消退することは殆ど無く、その効果には疑問符が付く。(筋全体のストレッチをしてもTP内包筋線維は伸張されるとは考えにくく、むしろ局所的なマッサージの方がTP内包線維を伸張する。) また、注射でも鍼でも如何に責任トリガーポイントを正確に刺激するかが肝要である。 近年の研究においては、局所麻酔薬注入群と鍼刺激群において有意な差はないという報 告もあり、安全性の観点からドライニードリングという鍼の刺入のみの治療も増えている。 当院では鍼灸治療用の鍼を責任トリガーポイントへ刺入し、さらに徒手・ツールによるマッサージを行っている。また、2000年頃よりトリガーポイント研究会黒岩教授が責任トリガーポイントの検索法を世界で初めて確立し、かつその手法も日々進化しており、現段階においてトリガーポイント療法の最先端にある。
トリガーポイント検索法
一般的に注射の場合は患者に自覚的疼痛部位を示すように指示して、単にその近傍部に注射をする事が多い。また、Travellの関連痛のパターンに当てはめて、ここが痛い場合はこの筋肉と機械的に部位を決定して治療される事も多い。しかしその検索法では責任トリガーポイントを検索できる可能性は低い。発痛/疼痛動作を運動学的に解析し、そこに先行体験による知見や解剖学的知識を動員し、さらに治療刺激に対する脳活動による認知を活用し検索するという方法を用いている。