外反母趾
母趾が中足趾節関節(MP関節)で外反し、第1中足骨が内反し、外側に「く」の字に曲が る病態。中足基節関節角が15度以上を外反母指とする。初月経期と更年期の女性に多い
①ハイヒール等による母趾中足骨の体重負荷、または女性ホルモン分泌低下に伴う背側・底側 中足関節の靱帯の緩みが原因となって横アーチが崩れ、足幅が広がる。これを開張足とよぶ。 ②先細の靴を履くことで母趾が外反。 ③母趾MP関節が突出し、靴との接触で母趾MP関節内側部が滑液包炎(=バニオン)となり、 発赤して腫脹する。 ④外反母趾になると歩行時に足趾の体重負荷ができにくくなるので、とくに第2趾MP関節底 部で体重を支持するので圧痛や自発痛が出現しやすい
足根管症候群
内果後下部において、屈筋支帯の下の足根管を、脛骨神経・脛骨動静脈・後脛骨筋・長趾屈 筋、長母趾屈筋が通過している。この足根管の狭窄により、脛骨神経末端の、外側足底神経や 内側足底神が圧迫された状態
症状
脛骨神経絞扼部より末梢、すなわち外側・内側足底神経走行部(足と足趾の底側)の灼熱 痛、骨間筋の機能低下、足趾の内・外転や屈曲力の低下
足底筋膜炎
足底の筋は、表在性の足底筋膜に覆われている。足底筋膜 は踵骨隆起から起こり、足の指に至って、足底の縦のアーチ 維持に貢献している。 過度の足底筋膜に加わる張力の反復により、足底筋膜に付 着部の牽引ストレスが作用する。また足底筋膜の微小断裂を 起こす。この微小断裂は、夜間就寝中に治癒機転が働いて固 くなる。しかし朝、固まった損傷部に体重が加わると、再び 引き伸ばされて激痛となる。長距離の選手に多い
症状
痛みの直接原因は脛骨神経末端の興奮によ る。 ①脛骨神経内側踵骨枝刺激 歩行開始時や走行中に、踵に近い部分が、 ビリビリと痛む。踵骨前方の圧痛。 ②内側足底神経刺激:母趾背屈時の足底痛。 3)所見:X線で、足底部の踵骨内前方に骨棘。
踵脂肪体萎縮
踵のクッションである脂肪体が減少し、弾力を失っている状態で、とくに起床時に踵中心部が痛む。脛骨神経分枝の内側足底神経踵骨枝が、踵骨底と床に圧迫されて痛むの が直接原因。踵脂肪体減少の原因は不明だが、老化や過使用、打撲が考えられている。
踵骨の前縁部の痛みは、足底筋膜が踵骨に付着する部であり、足底筋膜炎の可能性が高い