不妊症
今や6人に1人は不妊症といわれています
研究により、難治性不妊症の患者さんに対して鍼灸治療を行うことにより、妊娠率を向上させることが明らかになりました。
胚移植などの生殖補助医療を5回以上おこなっても妊娠に至らなかった難治例(114症例)に対して鍼灸治療を行い、鍼灸治療後の妊娠率を検討したところ、114例中49例(43.0%)が妊娠に至り、そのうち 23例(46.9%)が出産まで至りました。妊娠群の妊娠方法について、追加の不妊治療を必要としなかった自然妊娠が8.2%(4例)にみられました。また、鍼灸治療後に不妊治療(胚移植)で妊娠に至った症例は妊娠群の89.8% (44例)でしたが、そのうちの68.2%(30例)は鍼治療施行後1回目の不妊治療で妊娠に至りました。さらに、そのうちの30.0% (9例)は10回以上不妊治療を経験していた非常に難治性の高い症例でした。この結果からわかったことは、鍼灸治療は生殖補助医療と違って、母体に対して妊娠・出産に適した身体作りとでもいうべき治療であり、不妊治療を補完する治療であるということです。
不妊症に対する鍼治療
仙骨部鍼通電療法
排尿障害に用いている仙骨部鍼治療を行うと、不妊症患者さんの子宮血流が改善することがわかり、妊娠率の向上も得られます
子宮機能改善・子宮循環向上の効果があります
子宮動脈の血流改善効果 内膜の厚さの改善
子宮放射状動脈の血流改善効果 内膜の質の改善
研究結果では子宮動脈の血管抵抗値(RI:resistance index)が 鍼灸治療を行った後に、抵抗値が有意に減少。子宮動脈の血流が増加します
陰部神経鍼通電療法、
卵巣の機能を改善させる。
陰部神経鍼通電は、ARTで必要な採卵数向上、排卵障害、良性胚の育成などに効果がある
研究結果では、同じ卵巣刺激条件下で陰部神経鍼通電療法を3周期行った後の採卵において45.3%の周期で 採卵個数が増加 これらの特殊治療を行うことで最大58%の成功率があるということです
一回のART成功率は平均で20~30%。40歳台だと15%程です