統合医療
科学的根拠に基づく医療(EBM:evidence based medicine)とはできるだけ多くの臨床データに基づいて、統計学的に妥当性のある最新最良の医学知見を用いる医療であり、近代西洋医学ではおおむね定着してきています。
EBMの観点から考えると、補完・代替医療は臨床データに乏しく、信用のできる科学的根拠(エビデンス)のないものが大半です。
代替医療は、西洋医学と比べて次のような特徴をもっています。
・自然治癒力の向上を目指す
・ライフスタイルの改善を促す
・個人差を重視し個別的な有効性を評価する
医療先進国の西欧諸国で統合医療の実施、研究が進んでいる背景には、現代医療(西洋医療)では対応できなくなった諸症状、病気が多くなり、高額な医療費の負担が軽減でき、患者が希望する治療が受けられるなどの理由で、西洋医学一辺倒の医療を見直そうという政府や国民の意識の高まりがあります。アメリカやイギリスをはじめ西欧諸国では、統合医療が国の医療として研究されるなど、世界の潮流になってきています。
特にアメリカでは、国立衛生研究所(NIH)という世界的な最先端医学の研究機関の中に、相補・代替医療センターを設置し、2005年には150億円の予算が投じられ、相補・代替医療が科学的に研究されています
また、NIHの2002年の調査では、アメリカ国民の62%が、何らかの相補・代替医療を利用していると報告しています。
医療費の増大や患者さんのニーズ・TPPにより世界の潮流 統合医療の流れはさらに加速するものと考えられます。
鍼灸の研究や外来診察をしている西洋医学の大学病院
旭川医科大学麻酔科
東北大学漢方内科鍼灸外来
東京医科大学霞ヶ浦病院麻酔科
獨協医科大学麻酔科
自治医科大学麻酔科
埼玉医科大学病院
順天堂大学浦安病院泌尿器科
帝京大学市原病院麻酔科
東京大学医学部総合内科東洋医学外来
東京医科歯科大学麻酔科
東京慈恵会医科大学麻酔科
東邦大学大橋病院麻酔科
東邦大学医療センター大森病病院東洋医学科
日本医科大学東洋医学科
東海大学大磯病院東洋医学科
山梨大学麻酔科
藤田保険衛生大学坂文種報徳病院麻酔科
岐阜大学第二内科鍼灸外来
大阪医科大学麻酔科
近畿大学麻酔科
大阪大学大学院 医学系研究科
三重大学病院麻酔科
日本でも補完・代替医療のなかで、漢方薬と鍼灸は比較的エビデンスがあり、医療として行われています。
漢方薬はすでに多く使われており、鍼灸治療も多くの税金・研究費を使い大学病院で研究や外来診療がおこなわれています。
カイロプラクティックなどほかの補完・代替医療の研究や診療は、あまり行われていないのが現状です。カイロプラクティックについては厚生労働省と医療機関では、治療としては効果やエビデンスが少ないという研究結果・見解なので病院ではほとんど行われていないようです。
鍼灸と漢方薬は統合医療として患者さんに効果とニーズがあり、西洋医学でカバーできないところにも有効であり、大学病院では実際に治療効果もあるので研究しているということです。
当院ではカイロ矯正は、外から力を加えるということで、カイロ矯正のいいところだけを利用して、 強いストレッチ 美しい姿勢づくり ほかの治療との組み合わせで、適応のある方におこなっています。
当院ではエビデンス(科学的根拠)のある鍼灸・漢方などを組み合わせて、個人差に合わせたオーダーメイドの治療を行っています。
日本でもアメリカで統合医療を勉強された医師の方や鍼灸の大学での研究者の方が統合医療に取り組んでおられます。
病院での治療・西洋医学は必要で、西洋医学だけではカバーできないところを漢方・鍼灸で治療して、
それぞれのいいところを利用すればいいと考えています。
統合医療の考え方のように、自然が多い名張で療養・滞在型の治療ができたらと考えています。