鍼灸施術(筋膜や皮膚への刺激も含む)による自原抑制の誘発は、筋束の弛緩と同時に筋束間や皮下の歪みを解消し、神経の興奮を治めます。
皮下に分布する皮下結合組織を広範囲に刺激して、体液(リンパ液など)の還流を促し、癒着の剥離などに効果があります。
・自原抑制(じげんよくせい)
『筋肉が縮み過ぎるとその両側に付いている腱の中にある危険を察知するセンサーが働き、筋肉が切れてしまわないように筋肉がゆるんでしまう』
筋が収縮した直後に弛緩(リラックス)するように働く抑制のことです。
大きな力で収縮した(より多くの筋線維が収縮した)後ほど
大きな抑制が働いて弛緩(リラックス)の程度も大きくなります。
・相反抑制(そうはんよくせい)
『筋肉が縮むとそれと反対の動きをする筋肉はゆるむ』
ある筋が収縮する時に、その筋の拮抗筋が抑制されることを言います。
例えば、膝を伸ばす時、大腿四頭筋が収縮しますが、
その時同時に拮抗筋であるハムストリング(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)は
弛緩(リラックス)するので膝を伸ばし易くなります。
自原抑制も相反抑制も、脊髄内での「反射」によって起こります。
反射で起こるから、自分の意志とは関わりなく起こります。
意識しなくても使えることは、運動機能の調整や実際の身体活動には有利です。
はり治療は治療部位を直接刺激できますから効率的に治療できます。
そして筋肉の痛みなどが解消されるか否かは、はりで刺激部位を正確に捉えることが最も重要になります。
鍼の苦手な方には、 筋束間や皮下の歪みを解消し癒着や瘢痕組織、トリガーポイント・硬くなったり癒着を起こした筋膜に効果のある強力な専用治療器も使用します。