① 筋緊張と痛み
一部の筋束が緊張すると、緊張していない筋繊維と緊張した筋繊維の間に位置する神経が興奮します。
過緊張の筋束とそうでない筋束間の歪みが、痛みとなります。
運動痛や動作によって発症する痛みは、緊張度が最も高まる外側の筋に生じやすいです。
癒着や瘢痕組織、トリガーポイントが増長した場合も、筋肉は凝り固まります。
そして、筋膜が硬くなったり、癒着を起こし、可動性の減少や疼痛の原因となります。
それには筋肉のしこりやくっ付きを解放する治療を行います。
始動時に感じた痛みが、体を動かしていると和らぐことがあります。
運動によってスチレッチされた筋は自原抑制(腱繊維の過緊張を予防する防護機構の一つ)を誘発して、筋
肉を弛緩させます。筋束間の歪みが解消されて痛みを発症しにくくします。運動の準備にストレッチ体操が
利用されるのはこのためです。
皮下には皮膚と筋膜を連絡する結合組織があります。むくみや皮下の腫脹、一部の筋束の緊張が皮膚に
ゆがみを生じさせると、皮膚の機械刺激受容器を興奮させて痛みを誘発させます。
神経の受容器は皮膚や皮下組織、筋膜に多く分布しています。
皮膚表面に特段の傷がなくとも、痛みを感じます
皮下の癒着や歪みは帯状疱疹後の神経痛でも物理的に痛みを伝える神経を興奮させます。
関節の腫れは炎症によって染み出た水分です。動作によって筋肉や腱が関節包(痛み神経の分布密度が
高い)を圧迫して急激に関節包の緊張を高めます。膜状組織の緊張が痛みとなります。
頭をヘルメットのように包んでいる帽状腱膜の緊張は、頭部を締め付けて頭重を感じさせる。
広範な領域に痛みを感じると、一つ一つのいたみの存在位置が正確にわからなくなり、頭の芯が痛いと感じます。
頭のほかに、膝関節・足関節・手関節・腰にもあります。
それらの中心部や深層部、骨が痛く感じますが、そこには痛みを感じる神経は少なく、①②③のようなところが考えられます。